ヴィーガン・ベジタリアンが増加中!菜食主義者の食事とは?

近年、ヴィーガン・ベジタリアンの食事を選択する人が増えています。その理由は、地球環境の悪化や動物愛護の観点、健康意識の向上などさまざまです。

ヴィーガンカレーやヴィーガンラーメンなど、プラントベースの加工食品を見かける機会も増えてきました。また、ヴィーガン・ベジタリアンに対応した食事を提供するレストランも多くなってきています。
今回は、増加傾向にあるヴィーガン・ベジタリアンについて具体的に解説していきます。

ヴィーガン食やベジタリアン食に興味がある人や、これからチャレンジしてみたいという人はぜひ参考にしてみてくださいね。

世界のベジタリアン人口ってどれくらいいるの?

英国         16%  (2006) 英国ベジタリアン協会(VSUK)
ドイツ       11% (2015) JETRO
フランス     2.0%  (2012)  ガーディアン調査
オランダ      4.5%  (2008) ベッカー・サンダ―調査
スウェーデン   10%  (2014)  アニマルライツ・スウェーデン報告
オーストリア   9.0%  (2013)  VGT(VEREIN GEGEN TIERFABRIKEN)報告
米国       13.7% (2008)  Vegetarin Times
オーストラリア  10%  (2013)  ロイ・モーガン調査
日本       9.2%  (2003)  日本ベジタリアン学会(JSVR)

NPO法人 日本ベジタリアン協会HP

 ヴィーガン・ベジタリアンとは

ヴィーガンやベジタリアンという言葉自体は聞いたことがあっても、実際どういう食事をする人のことを指すのかよくわからないという人も多いですよね。

また、マクロビオティックという言葉もよく耳にしますが、ヴィーガンやベジタリアンとどう違うのでしょうか。それぞれについて解説していきます。

菜食を基本とする食生活

ヴィーガン:完全菜食主義者

ベジタリアン:菜食主義者、ライフスタイルはさまざま

マクロビオテック:玄米を主体とした日本古来の食事療法

ヴィーガンとは

ヴィーガンとは、「完全菜食主義者」のことです。

牛肉、豚肉、鶏肉などの肉類や魚介類だけでなく、卵、牛乳、はちみつ、ゼラチンなどの動物性食品を一切とらない食生活をしています。

食事の中心は、野菜、きのこ類、果物、いも類、豆類などの植物性食品です。

白砂糖は精製過程でフィルターとして牛骨灰(ぎゅうこっぱい)を使用していることが多いため、ヴィーガンの多くが選択するのは骨灰不使用の砂糖です。

食生活のみをヴィーガン食で生活する人を「ダイエタリー・ヴィーガン」といい、

食事だけでなく、動物実験されて開発された日用品を使わない、毛皮、ウール、シルク、革製品などを使わない人を「エシカル・ヴィーガン」といいます。

完全菜食主義と言っても、そのライフスタイルはとても幅広いんです。

ベジタリアンとは

ベジタリアンは「菜食主義者」と訳されます。

実際には、ライフスタイルによって細かく種類が分かれていて、ヴィーガンもベジタリアンの区分の1つ。ここでは具体的に8種類のベジタリアンを紹介します。

フルータリアン(fruitarian)

「果実主義者」とも呼ばれます。フルーツやナッツ類を中心とした食生活
茎や根は植物の生命を奪うことになるため、収穫しても植物自体の命に関わらないフルーツやナッツ類を食べます。
野菜も食べる人がいますが、レタスなどの葉物野菜や、実の部分を食べるキュウリ、ナス、トマト、パプリカなどの野菜です。
健康のために部分的に取り入れる人もいます。

オリエンタル・ベジタリアン(oriental vegetarian)

五葷(ごくん)と呼ばれる、にら、にんにく、ねぎ、らっきょう、浅葱を食べないヴィーガン。
これらの野菜は肉や魚の臭みを消すために使われることが多いですよね。
五葷は匂いやエネルギーが強いため、肉や魚を食べないヴィーガンにとっては刺激が強く、
食事のバランスが取れなくなると考えられています。

台湾の「素食」は、オリエント・ベジタリアン対応の食事です。
宗教上の理由で実践する人が多く、アジア圏やインド圏に多いベジタリアン。

ラクト・ベジタリアン ( lacto vegetarian)

ラクトは乳という意味です。乳・乳製品は食べますが、肉、魚類、卵は食べません
乳製品からカルシウムなどの栄養を摂取したい人や卵アレルギーの人もいます。
宗教上の理由で行われることも多く、ヒンズー教のほとんどの人が行っている食生活です。

オボ・ベジタリアン  (ovo vegetarian)

オボは卵という意味です。卵は食べますが、肉、魚類は食べません

ラクト・オボベジタリアン(lacto-ovo vegetarian)

一般的に「ベジタリアン」という場合は、ラクト・オボの食生活を指します。
乳製品や卵は食べますが、肉や魚類は食べません
栄養バランスがとりやすく、健康のためにベジタリアンになった人に多い食生活です。

ペスコ・タリアン (pescetarian)

魚・卵・乳製品は食べますが、肉は食べません。
日本では出汁に魚が使われることが多いため、魚介類を避けるのは難しい日本人に取り入れやすい食生活と言えます。

ポーヨ・ベジタリアン(Pollo-Vegetarian)

肉類の中で鶏肉のみ食べ、魚、卵、乳も食べます。肉食を完全にやめたくない人に多い食生活です。

セミ・ベジタリアン(Semi-Vegetarian)

フレキシタリアン(Flexitarian)ともいいます。
基本的には植物性食品を食べますが、場合によっては肉や魚類も食べるなど柔軟性のある食生活です。

マクロビオティックとの違い

「マクロビ」という言葉をよく耳にしますよね。
正式には「マクロビオティック」といい、穀物や野菜など日本の伝統食をベースとした日本発祥の食事療法のこと。日本古来の考え方や東洋の知恵に基づいた玄米主体の食事
肉や魚、卵などの動物性食品の制限はありませんが、それらをなるべく控えた食事法です。

ヴィーガン・ベジタリアンの食事を選択する理由

なぜ、ヴィーガンやベジタリアンが菜食主義の食生活を送っているのか気になりますよね。

ヴィーガンやベジタリアンの食事を選択する人には、さまざまな理由やきっかけがあるんです。
食べ物の好き嫌いが理由となっている人もいますが、
ヴィーガンやベジタリアンの理由として多いのは宗教や、個人の信念、思想的な理由。

ここでは3つの理由を紹介していきます。

動物愛護のため

1つ目の理由は動物愛護のためです。
動物性の食事や動物を使った製品などは、動物の自由や命を奪うものであるため避けようという考え方です。

もともとよく肉や魚を食べていた人が、動物がどのようにして殺され食事として提供されているか知ったことがきっかけとなり、ヴィーガンやベジタリアンに転身することもあります。
動物愛護の観点からヴィーガンやベジタリアンになっている人は、直接的に動物が使われている食べ物や製品だけでなく、商品開発で動物実験をしていない製品を選ぶ人が多いです。

地球環境保全のため

2つ目の理由は地球の環境保全のため
なぜなら、動物性食品を食べることで地球環境問題が悪化してしまうからです。

畜産業を行うには多くの土地が必要になるため、世界中で森林伐採が進んでいます。
また動物から出されるメタンガスは強力な地球温暖化の要因。そうした背景から、肉食を避けた食事を選択する人が増えているんです。

またパーム油はアブラヤシという椰子から取れる植物油脂ですが、アブラヤシを育てる土地のために大規模な森林が破壊されていることから、パーム油を避けるヴィーガン・ベジタリアンも多いです。

健康や美容のため

3つ目の理由は、自分自身の健康や美容のためです。

肉類・乳製品を摂取しないことで、野菜や豆類中心の食生活となり、食物繊維が豊富な食事になるため、腸内環境の改善に期待できるでしょう。
また、野菜や果物を多くとることでビタミン類が豊富に摂取できたり、動物性食品をとらないことでコレステロールの摂取が控えられると考えられています。

ヴィーガン・ベジタリアンの代替食品

今、ヴィーガンやベジタリアンの代替食品が、食生活の選択肢を広げるものとして注目されているんです。
ヴィーガンやベジタリアンでなくても、肉食を控えたい時やカロリーを抑えたい時などに手軽に使える食品が多くあります。
今や身近な場所でも手に入りやすくなった代替食品。
ここでは一部を紹介しますので、ぜひ普段の料理に取り入れてみてくださいね。

肉の代替品

大豆ミート大豆たんぱく、大豆肉とも呼ばれます。
油分を絞った大豆に熱や圧力を加えて乾燥させることで、肉のように見える加工食品です。
食感も肉に近く、ひき肉状などいろいろな形状のものがあります。

おからこんにゃくおからとこんにゃくを使って作られた加工食品。
大豆ミート同様、肉の代替品として焼肉やとんかつなどの、肉料理に似ている料理を作ることができます。

:原料は小麦粉に水を加えて練ってできるグルテンです。
ドーナツ状の車麩は、角煮風として調理されるのが定番。他にもいろいろな使い方ができます。

テンペ:茹でた大豆をテンペ菌で無塩発酵させたインドネシアの伝統的な発酵食品
発酵食品特有の匂いやクセがなく、焼いたり揚げたりして肉の代わりとして調理されることが多いです。

牛乳の代替品

豆乳:大豆をすり潰して、液体を絞ったものです。
牛乳の代用品の定番。飲料だけでなく料理にも幅広く使えます。

アーモンドミルク:アーモンドをミキサーなどで細かく砕いた細片を 漉した飲料。
牛乳と比べると低カロリーのためダイエットとして飲む人もいます。

ココナッツミルク:ココナッツの種子の固形胚乳を細かく砕き、水と一緒に弱火で煮込んで作られるもの。栄養価が高いため健康を意識して取り入れる人も多いです。

オーツミルク:オーツ麦から作られた飲料。自然な甘味があり、牛乳と比べると低カロリーです。

チーズの代替品

ニュートリショナルイースト:栄養価が高いためスーパーフードとも呼ばれています。
サトウキビなどの糖蜜で発酵させた酵母。
粉チーズの代わりに料理にふりかけるなどチーズの代用品として手軽に使えます。

ヴィーガン・ベジタリアンの食事のまとめ

今回紹介したように、ヴィーガン・ベジタリアンと一言でいっても実際には多種類のライフスタイルがあります。

また、ヴィーガンやベジタリアンの食事を選択する理由には、宗教上の理由や単なる好き嫌いだけではなく、人によってさまざまな理由や背景があるんです。
近年、地球環境が悪化していることや世界規模でSDGSが推進されていることから、
「地球環境を良くしたい」、「動物の命を大切にしたい」など、人や動物に優しい世界を目指して選択する人が増えています。

それに伴って、ヴィーガン・ベジタリアン対応のレストランもよく目にするようになり、
ヴィーガン食品やヴィーガンスイーツなどが容易に手に入るようになりました。

急に毎日の食事を変えることは難しいかもしれませんが、
まずは月に1回、週に1回といったように、気軽にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
自分自身の健康や美容のため、地球や動物に優しい生活のためにも、プラントベースの食生活を取り入れてみましょう。